2020.01.10
英語では「タトゥー」だけですが、日本語では「刺青」や「入れ墨」。
または「彫り物」という呼び方があります。
なぜこんなにも違う言葉があるのか?
それぞれの意味はどう違うのか疑問に思った方もいるでしょう。
「刺青」と「彫り物」の違いについて、解説します。
■「刺青」と「彫り物」は意味が同じ?
「彫り物」とは江戸時代に呼ばれていた言葉であり、刺青と同じ意味として使用しても間違いではありません。
現代では刺青以外にも、タトゥーと同じ意味として認識されています。
針を肌に刺し、墨やインクを入れて定着させる手法は同じもの。
ただし「彫り物」の方が芸術的な意味合いを持つという意見もあります。
「彫り物」という呼び名が「刺青」とどう違うのかは、歴史に隠されていました。
■江戸時代では「彫り物」が一般的だった
江戸時代には飛脚や火消しといった肌を露出する職業の人々が、着物の代わりに刺青を彫るようになりました。
同時に、罪人には一目で分かる入れ墨を施したことから、2つは区別されるようになったのです。
模様を入れる美しい絵柄は「彫り物」と、罪人の証はその刑罰の名前である入墨刑から「入れ墨」と呼ばれるようになりました。
そのため、彫り師によっては「彫り物」という呼び名を好む方もいます。
■「刺青」は新しい言葉?
「刺青」とは谷崎潤一郎の小説の題名から生まれた言葉であり、「しせい」という言葉であったにも関わらず、「いれずみ」と読まれるようになりました。
入れ墨が刑罰によるものであったことから、「刺青」と呼ぶ方が好まれるようになったのでしょう。
文身、紋身、紋々などと呼ばれていたこともあり、時代と共に少しずつ呼び名が変わっていたことが分かります。
手法は変わらないのに、時代と共に新しい呼び名が生まれるもの。
少し先の未来では、「刺青」でも「彫り物」でもなくなっているのかもしれません。
「彫り物」も「刺青」も意味は同じものの、時代によって呼び方が違うだけ。
こんなにも言葉が変わるのに、正しく理解して使い分けている人はいません。
それだけ現代人にとっては刺青が生活になじみのないものであり、すでに呼び方にもこだわりがないのでしょう。
呼び名すら不安定な刺青に興味がなくなったという方は、病院にて除去することも検討してみてください。
現代では、美容外科にて除去する方法があります。
2020.08.13
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