2020.05.03
刺青インクにはどんな危険が潜んでいるのか、考えたことはありますか?
刺青に使用される顔料となにか?
身近にあるメイク用品と比較しながら、顔料の安全性について説明します。
■刺青インクに使うのは顔料か染料か?
「顔料」という色素を知らない彫り師の場合、顔料を「染料」と呼ぶこともあるでしょう。
顔料と染料には、下記の違いがあります。
・顔料:粉状の色素で水や油に溶けにくい。ファンデーションなどに配合
・染料:水や油に溶ける。へアマニキュアなどに使用
化粧品は顔料か染料、または2つの色素を組み合わせて商品を作ります。
刺青の場合には汗で溶けないよう顔料インクが使用されているため、染料を使うことはないでしょう。
■肌によくない刺青の顔料とは
顔料はさらに材料によって、下記のように2種類に分けられます。
・無機顔料:土や鉱物の天然素材から作られたもの
・有機顔料:植物の色素や石油などの化学合成物質から作られたもの
天然である無機顔料の方が安全に感じる方もいますが、有機顔料が危険というわけではありません。
日本では過去にタール色素と呼ばれる有機顔料が化粧品に使用されていましたが、トラブルが起こるケースが多々ありました。
そのため配合できる有機顔料を定め、現在では安全に使用できるように国が規定を設けています。
有機顔料は肌によくないというのは誤解であり、中には安全性の高い色素はいくつか存在しています。
■刺青の顔料が安全と言い切れない理由
刺青インクは安全性の高い顔料を使用すれば、皮膚への影響は少ないと考える彫り師は多いでしょう。
ですが天然であっても、安全性の高い有機顔料であっても、アレルギー反応には個人差があるため安全とは言い切れません。
添加物を配合しない化粧品でも、「全ての人にアレルギーが起きないとは限らない」という注意書きが添えられています。
まして皮膚の中に針を刺して注入するのですから、化粧品より危険性は高いといえるでしょう。
食品添加物に使用されている原料でも、刺青に使用した場合にはかぶれの回復が遅くなるとも言われています。
メイクや食品には安全な顔料を使用しても、刺青に使用した場合には予想外のトラブルを引き起こすことがあるかもしれません。
顔料自体は安全でも、刺青にすることで体に負担をかけているのかもしれません。
また、彫り師によって刺青インクの知識が十分でないこともあるでしょう。
心配な方は病院で、刺青そのものを除去することも考えてみましょう。
2020.08.13
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