2020.05.13
入れ墨はなぜ「入れ墨」と呼ばれているのか、その語源についてご紹介します。
墨を入れるから入れ墨という単純なものではなく、この呼び名が定着したのにはある理由がありました。
驚きの歴史と、入れ墨が語源となった意外な漢字について確認してみましょう。
■入れ墨の語源は刑罰にあった
入れ墨は古くから存在し、日本では縄文時代にも入れ墨が彫られていたと考えられています。
「入れ墨」という呼び名が登場したのは、江戸時代のこと。
この語源は皮膚に墨を入れることが由来していますが、当時の入れ墨には異なる意味がありました。
「入れ墨刑」と呼ばれる前科者の証を彫る刑罰が、現在の「入れ墨」の語源となっています。
ちなみに刑罰ではない装飾用の入れ墨もありましたが、そちらは「彫り物」と呼ばれていました。
■なぜ「入れ墨」という呼び方が定着したのか
現在のファッションタトゥーなどは、江戸時代の呼び方でいえば「彫り物」が正解なはず。
なぜ、犯罪者に課せられる「入れ墨」という名前の方が定着してしまったのでしょうか?
これはメディアによって「入れ墨」という名前に統一されたためと考えられています。
現在でも犯罪者や逃亡者の特徴に、「入れ墨がある」と報道するケースはよくあります。
入れ墨はもともと犯罪者の証、悪いニュースを報道する際に語源が適切であると判断されたのでしょう。
何度も聞き慣れることで、タトゥーは日本語で「入れ墨」という名前が定着してしまったのです。
■入れ墨が語源となった意外な漢字
入れ墨の語源が意外な歴史の事実にあったことに、驚いた方もいるでしょう。
さらに、入れ墨がある漢字の語源になっていることについてもご紹介します。
爽快や爽やかに使われる「爽」という漢字に入った4つのバツ印、これは死者に彫られた入れ墨をあらわしています。
入れ墨が彫られた死者は邪悪なものを寄せ付けなくなるため、いつでも生まれ変われるとのこと。
心地の良い意味を持つ漢字には恐ろしい、まじないのような入れ墨が隠されているのです。
「入れ墨」の語源や歴史を調べてみると、そのダークな背景を知ることになります。
何気なく読んでいる名前には、あまり心地良くない意味が隠されていました。
自身の入れ墨にも悪い印象を持たれた方、病院で除去できるということを知っておいてください。
2020.08.13
2020.08.11