2020.05.15
ゴシックな入れ墨とは聞きますが、具体的にどんなデザインを思い浮かべますか?
これは人によって解釈が異なるため、まったく異なる入れ墨を想像してしまうかもしれません。
■ゴシックとはどんなデザイン?
ゴシックは入れ墨だけでなく、ファッションやデザイン、建築物や美術などにも使用されるワードです。
もともとゴシックは13~15世紀のヨーロッパ中世美術の様式をあらわし、聖堂などの建築物をあらわすことが一般的でした。
15世紀に入り、イタリアの知識人たちによって「無秩序で野蛮」という侮蔑の意味がある「ゴシック」と呼ばれるようになったのです。
現在では侮辱的な意味はなく、歴史的な文化として賞賛されています。
当時の衣装や装飾などを参考にしたものも、同じくゴシックと呼ばれるようになりました。
■入れ墨にも影響?日本のゴシックとは
日本では西ヨーロッパ時代のゴシックよりも、後世に作られたゴシックスタイルの方がなじみは深いようす。
悪魔や魔女を思わせる漆黒の衣装や、礼服のようなクラシカルなスタイルをゴシックと呼んでいます。
また、悪魔のような姿でロックやメタルを奏でる音楽からゴシックのイメージが作られ、パンクファッションがゴシックと認識されていた時代もありました。
さらに「ゴスロリ」と呼ばれるゴシックとロリータファッションが融合したスタイルが生み出され、ゴシックの意味はまた異なる印象に。
ファッションの変化は入れ墨にも影響しますが、入れ墨ではどんなゴシックスタイルが生まれたのでしょうか?
■入れ墨に用いられるゴシックとは
入れ墨のデザインにも「ゴシック」と呼ばれるデザインが紹介されていますが、その定義は曖昧です。
黒一色で描かれたものや、バラやレースを描いたもの、ダークな雰囲気なものもゴシックと紹介されています。
建築物の装飾を由来としているのか、パンクをイメージしているのか?ゴスロリに合わせているのかによってゴシックの解釈は異なるようす。
中には「ゴシックっぽい○○」と濁している写真もありました。
ゴシックは彫り師と顧客の認識が異なると、イメージしたものとまったく違った出来上がりになってしまうかもしれません。
ゴシックに限らず、彫り師の知識やコミュニケーション能力が不足すると、満足する入れ墨を得ることはできないもの。
自身の入れ墨に思い当たる節があるという方は、病院で除去してモヤモヤとした気持ちを消してしまうことをおすすめします。
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