2020.06.23
入れ墨を彫っただけで医療行為を違反したとし、彫り師が裁判にかけられた事件がありました。
事件のおさらいとともに、上告が無罪になっても彫り師は安心できない理由について説明します。
■入れ墨裁判は逆転無罪で終わりじゃない
医師免許がないとの理由で、入れ墨を入れた彫り師が裁判にかけられた事件がありました。
1審では罰金15万円の判決が下されましたが、2審判決では逆転無罪に。
2018年11月の時点では、医師免許がなくても入れ墨を彫る行為は違法でないという結果になりました。
この判決に、多くの彫り師やタトゥースタジオが安心したことでしょう。
医師免許を持つ彫り師など、誰も想像したことがないもの。
ですが、この裁判はまだ終わってはいません。
■入れ墨裁判は上告の手続きへ
2審で無罪判決となった入れ墨裁判ですが、現在は最高裁判所に上告されています。
大阪高等検察庁は2審の判決に納得せず、不服申し立て手続きをしているとのこと。
1審では有罪判決が出ただけに、最高裁にて無罪になるという確証はありません。
上告されたということは、有罪になる可能性もあるということです。
判決内容によっては、日本の入れ墨業界が大きく変わってしまうかもしれません。
■上告が無罪でも入れ墨業界が安心できない理由
上告の結果、彫り師に罪がないという結果になっても入れ墨業界は安心できません。
医療行為とはいえなくても、入れ墨はそれほどまでに危険な行為であることを世間に知らしめてしまいました。
無罪に向けて協力していた方たちも、「入れ墨は嫌いだけれど判決に疑問がある」という声が多くあります。
2審では入れ墨を肯定しないことで支援者を集め、逆転無罪を勝ち取っています。
そのため上告後に入れ墨に違法性がなかったとしても、入れ墨が好意的に受け入れらたというわけではありません。
また、悪質な入れ墨業者を野放しにしている状態は以前と変わらないままになってしまうでしょう。
上告後の結果がどちらでも、入れ墨業界が良い方向に変わるということはないでしょう。
有罪であれば医師免許が必要になり、彫り師は減少してしまいます。
無罪であっても入れ墨自体が世間に受け入れられることはなく、安全性については彫り師にゆだねられることになります。
入れ墨の将来に不安を抱いた方は早期に除去し、気持ちを落ち着かせることも検討してみてください。
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