2019.05.31
入れ墨の起源を知っていますか?
「海外から伝わってきたオシャレなタトゥー」や「暴力団の証に彫られていた」というのは、つい最近のこと。
もっと古い歴史があり、世界中で古い記述や証拠が発見されています。
その起源を知れば、入れ墨への意識が変わるかもしれません。
ぜひ、チェックしてみてください。
■入れ墨の起源は土偶の時代?
16世紀に日本南端の島に住む女性は、腕に入れ墨を入れる習慣があったと記録されています。
既婚者であることをあらわし、来世で苦労することがないようにとの、儀礼としておこなわれていたようです。
北ではアイヌの女性が入れ墨を入れていたとも。
古代では「身体加工法」の一つと言われています。
各地の風習として、入れ墨が存在していたとの記述が残っています。
古くは土偶やはにわに模様が刻まれていたことから、その時代から入れ墨の習慣があったのでは?
という説もあります。
■入れ墨は罪人の証?強制除去されたことも
江戸時代には、美しい入れ墨を体に彫ることが好まれたこともありました。
これは火消しや鳶職、飛脚などの服を着用しない職業の方が裸では恥ずかしいため、着物の代わりに入れたと言われています。
武士や庶民には体に傷をつけることに抵抗があり、一般的ではなかったようです。
同時に刑罰として、入れ墨を導入したことも。
明治時代には法的な規制がおこなわれ、手術や塩酸で入れ墨を強制的に除去した歴史もあります。
■現代社会に受け入れられない日本
入れ墨は個人を特定するための証や、その土地ならではの風習として用いられてきたもの。
現代とは異なる価値観で用いられてきたことが分かります。
ファッションが多様化したことで、徐々に入れ墨が忌み嫌われるようにも。
風習にしばられる必要もない現代では、体に入れ墨を彫る必要はありません。
ファッションの一部として楽しんだとしても、閉鎖的な古い風習や罪人の証として彫られてきた入れ墨を、心よく受け入れられない人もいるでしょう。
社会において入れ墨が受け入れられない背景には、古い歴史が関係しているのかもしれません。
ヘアメイクやファッションによる個性をあらわす自由がなかった時代や、職業に合わせた機能性の整った衣服が存在しなかった頃には、入れ墨も人々の生活になじみのあるものだったのかもしれません。
ですが、皮膚に異物を入れ、一生消えない柄を施すのはリスクが高いことも。
ライフスタイルにそぐわなくなってくるときもやってくるでしょう。
入れ墨の起源を知れば、必要性についても考えさせられてしまうもの。
現代では、美容外科の施術で除去することも可能です。
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